幸福と成功の意外な関係 | 静岡福祉大学

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幸福と成功の意外な関係

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 TEDというウェブサイトをご存じでしょうか。世界の最高峰の学者や実践家による講演を、無料で視聴することができます。心理学者のショーン・エイカー氏(Shawn Achor)による「幸福と成功の意外な関係」は、わずか12分の短い講演ですが、非常に印象的なものでした。

 私たちは普通、成功すれば幸福になれると考えています。そのために努力して成功を収めます。するとどうでしょう。たしかに一時的には幸福を感じることができますが、すぐにより高い目標を設定し、そこに到達しなければ不幸だと感じるようになります。

  現代に生きる私たちは、エアコンが壊れて暑いなかで一日を過ごさなければいけないと、それだけですごく不幸だと感じるでしょう。しかし、エアコンなんてなくても冷蔵庫があるだけで幸せ、毎日ご飯が食べられるだけで幸せ、という時代もあったはずです。人類は新しい技術の開発に成功することによって、どんどん幸福の基準を押し上げ、人間が幸福だと感じられないような世界を作り上げてきた、とさえ言うことができます。

 エイカー氏は「成功が幸福をもたらすのではなく、幸福によって成功がもたらされる。」と言います。今の自分を幸福だと感じている人は、安定した精神状態で仕事や勉強やスポーツなどでより高いパフォーマンスを発揮することができ、結果的に成功を収める確率が高くなります。逆に、今の自分を不幸だと感じている人は、そのことによって自分の実力を十分に発揮することができず、結果的に成功から遠ざかってしまいます。

 毎日生活していれば、当然その中で良い(ポジティブな)事も悪い(ネガティブな)ことも、どちらも起こります。エイカー氏は、自分の生活の中で起こったポジティブな出来事を毎日3つずつ記録するという、2分でできるエクササイズを21日間続けるだけで、生活に変化が現れると言います。

 早速私は学生たちと一緒にこのエクササイズを始めました。現在はまだ6日目ですが、それでも自然と意識がポジティブな出来事を探そうとし、ポジティブな出来事に目が向くようになってきています。21日目に自分がどうなっているか、今から楽しみです。

TED:https://www.ted.com

(福祉心理学科 草野智洋)

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