『大切な贈りもの…』 | 静岡福祉大学

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『大切な贈りもの…』

お知らせ

私の大学院での恩師が、今年度をもって退官されることなった。この10数年間大変お世話になり、迷惑ばかりおかけした不肖の弟子の自分。先生の指導は院生が取り組む研究に対して一つ一つ丁寧に質問をしながら、新たな着眼点と新たな取り組むべき課題を見つけ、先輩や院生が一緒になりディスカッションを重ねながら、それぞれの研究による視点の違いや考え方、データから見る仮説など、相互に多くを学び合えるのが特徴であり、得るものと「また頑張ろう」と力を貰えるものであった。
先日、その先生から本学へと多くの書籍をお贈りいただいた。ワクワクするようなタイトルの本が幾つもあり、すぐに手に取って読みたくなるほどだった。

 

以前、大学の学部時代にお世話になった恩師のところへ、私が准教授になった報告に伺った。その先生は大好きな赤ワインを片手にしながらの会話の中で、「わしはお前を先生とは呼ばん。だから勉強せぃ!」今の大学院の師匠について絶対に離れるなと。そして、「人には頭を下げぃ」実るほど頭を垂れる稲穂かなというであろう…。後は「書物をせぃ」論文や研究を続けろと。「いつかわしが読んでやるようなものを書いてみぃ」と。
私は、この3つの言葉を大切にしていた。数年が過ぎその恩師からの年賀状には万年筆で「わしはポリフェノールを飲んでおるからまだ大丈夫だ」と書かれた文字があり、年賀状を受け取った数日後に他界されたとの連絡が入ったのだった。

 

今、尊敬する恩師が退官されることに、淋しさと切なさを抱きながらも、感謝の思いでいっぱいである。先生からいただいた教えを忘れず「教育と研究」に力を注いでいきたい。
そして、先生から贈られたこのたくさんの専門書と文献を次の世代へと受け継がせていただき…どうかこの本を、多くの学生達や教員が手にして学びを深めてもらいたいと心から願っている。

 

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(※写真の本はごく一部で、多くの本をいただきました)

 

(福祉心理学科  長坂和則)

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