「季節感」に思う | 静岡福祉大学

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「季節感」に思う

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 ここ数年、日本でも異常気象が顕著となっています。人間の社会生活への影響も大きいのですが、もしかして自然や動植物への影響は深刻になっているのかもしれません。日本には「四季」があり、人は季節の移ろいの中で自然と関わり、豊かな文化を育んできました。そこには日本人特有の「季節感」があります。

私が一番季節の移ろいに気付かされるのは、秋の「金木犀」の甘い香りです。日の暮れの早まりを感じる頃、急にどこからともなく香ってくるのです。辺りを見回すと、金木犀の満開になった橙黄色の花を発見します。この芳香は脳裏に残っているのですが、毎年見回してしまうのです。春には、「沈丁花」の花の甘い香りに季節を教えられます。

これらは諸感覚の分類では、「嗅覚」になります。一説によれば、人間の原体験に繋がる感覚は、この嗅覚や「味覚」による場合が多いと言います。確かに、幼少時を思い出す時、「匂い」や「味」を伴っているエピソードがあるのです。野菜の「旬」もなくなりつつあり、季節感を持つには、敢えて嗅覚や味覚を研ぎ澄ませることが大切に思えるこの頃です。

(子ども学科 橘田重男)

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