穴 | 静岡福祉大学

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寝る前の数十分を読書の時間にしていますが、最近は「穴」をテーマに何冊かの本を読んでいます。きっかけは授業で扱った『あなはほるもの おっこちるとこ』『あな』という2冊の絵本、おとなが読んでも楽しめると思うのでおすすめです。
さて、今読んでいるのは、村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』、安部公房『砂の女』です。いずれも大学1年生のときに出あった本ですが、前者はもう何度読み返したかわかりません。あらすじを書いてしまうとおもしろくないので、ものすごくざっくり言うと、前者は井戸(穴)に下りていく話、後者は砂穴(の家)に閉じこめられる話、です。
ちいさな子どもが「穴」を好むのはなぜだろう、という問いから発して、穴を掘る・穴に下りる・穴に閉じこめられる(あるいは閉じこもる)という行為/状況と、ひとの生について、つらつらと物を思いつつ読み進めています。
何かを感じたり考えたり、新しいことを知ったりするのは、いくつになってもおもしろく嬉しいものだと、本を読むたびに感じます。そして、そのおもしろさを誰かと共有できるというのも、読書のよろこびのひとつだと思います。そんなよろこびを、学生さんが学生生活の中で(も)重ねてくれることを願っています。
(子ども学科 山下紗織)

山下2015

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