猛暑の思い出 | 静岡福祉大学

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猛暑の思い出

教員ブログ

 二十四節気では立秋、七十二候では涼風至(すずかぜいたる)となり、朝夕は涼気を感じられる季節・・・の筈なのに、暑さで融けそうになり碌に寝られていない私は幻覚を感じているのだろうか?・・・朦朧とした頭で考えていたところ、自分が施設を任される様になった頃の夏のワンシーンが思い浮かんだ。

当時私の施設では、区の古い施設の一角を借り、放置自転車を磨いて中古自転車として販売店に卸すという自転車リサイクル事業を始めていた。まずは自転車を綺麗にするのだが、その洗浄作業は屋外で行う必要があった(でなければ区の施設を水浸しにして大目玉を食らうからである)。モチロン、夏の炎天下でも行わねばならない。しかし、猛暑の炎天下で作業を続ければ熱中症の危険があり、利用者の為には少なくとも日陰を作る必要があった。そこで、明日の作業開始前までに何とかしようと、近隣のホームセンター等を巡りながら思案を巡らせた。何せ私の頭で考えたことなので不安は大きかったが、およそのイメージに合わせて閉店間際の店から材料を買い集め、件の施設脇に運び込んだ。そして現場で下拵えを済ませ、連絡を入れた。連絡先は・・・当時うちの施設に来ていた実習生である(他に若い男手がいなかったからである)。翌朝、現場にはひーひー言いながら突貫工事をする男二人の姿が・・・言うまでもなく私と実習生である。かくして、現場にはささやかな日除けが完成し、日陰で作業が行える運びとなった(その実習生が冷たいアイスと美味しい晩御飯をおごってもらったことは想像に難くない)。

その施設は数年前に取り壊され、苦労して作った日除けも無くなってしまったが、あの夏の風景は懐かしい思い出としてこの時期になると思い出される。

今年も猛暑が続く。実習生や利用者さん、職員の方が熱中症にならないことを祈るばかりである。

(福祉心理学科 飛田義幸)

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