手続き記憶 | 静岡福祉大学

ニュース

手続き記憶

教員ブログ

 「年をとると物忘れがひどくなる」ということをしばしば耳にすることがあります。これについて心理学では,記憶という名のもとで研究が行われてきています。
 そして,ピアノの演奏,自転車の乗り方,スキーやテニスなどのスポーツの技能などの運動を学習することに関する記憶は,「手続き記憶」とよばれています。この記憶は,学校で学ぶ,たとえば単語を覚えるといった記憶とは異なり,徐徐に獲得されていくことがこの記憶の特徴です。
 心理学的にも,この「手続き記憶」について,加齢の影響の検討が行われています。実験課題としては,さまざまな知覚運動学習や新しい刺激-反応形成(パソコンのキーボードのキー押しのパターンを学習することなどが挙げられます。必ずしもすべての報告が一致しているわけではないのですが,加齢の影響はほとんどないという見解に至っています。
 一端獲得した「手続き記憶」は,高齢期でも低下せず,維持され続けると言えるでしょう。
(福祉心理学科 石原治)

現在使用しているテンプレートファイル:single.php