教員ブログ

ふーん、そうなんだ

  • 健康福祉学科
  • 2017年9月4日

前期の日本史の講義では、できるだけ季節感を出そうとしました。初回は「桜」で、日本人と桜の関わりを、古代から現代までいくつかのポイントで追ってみました。以後、初夏の「長良川の鮎鮨」、「初鰹」、梅雨の「あじさい」などを話し、暑いころに「シルクロード」、「素麺」、「シベリアのイクラ」、そして最後は「花火」で終えました。「花火」の講義は、ちょうど安倍川の花火大会のころで、当日の予習の時間ともなるようです。

毎回、講義のまとめに、当事者意識を持ってもらうための設問を必ず1つ置きました。「あなたはどこの素麺を誰と食べたいですか?」とか、「江戸時代の花火師の家に生まれたら、あなたはどんな人生を送りますか?」とか。模範解答はないのですが、それぞれその日のテーマを自分のものにしてくれたらいいなと思ったのです。

「シルクロード」の講義の終わりに、大講義室の一番後ろの席から学生のAさんが近づいてきて、「で、先生はどうなの?」と聞かれました。「え?」、不意を衝かれて、何のことかと一瞬とまどいました。「だからさ、キャラバンだったらさ」と言うのです。その日の設問は、「シルクロードのキャラバンの子どもに生まれたとして、あなたはどんな人生を送りますか?」でした。

「俺はだめだな、すぐ死んじゃうよ」と答えると、「ふーん、そうなんだ」とつまらなそうに帰ってしまいました。あとで、Aさんの回答を読むと、「いいじゃん、ステキじゃん。キャラバンの子になっていろいろ行けるジャン」とありました。

自分の心が劣化していることを教えられた1シーンでした。

(健康福祉学科 小田部雄次)

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