静福生だけど優しくない私 | 静岡福祉大学

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静福生だけど優しくない私

お知らせ

  前期の日本現代文化論が終わった。梅雨が明ける前から、100人を越える受講生の熱気で暑い教室だった。

  受講生全員の川柳を入力して、それをテキストにしている。多様な川柳を、時事問題、季節のネタ、日常の悩み、趣味のこと、恋愛のことなどに分類して、「小田部流」に解説している。いわば「オタ流川柳道場」である。正直、その準備は大変で、入力だけで一日を費やす。しかし、楽しいし、学ぶことも多いので、なんとかがんばった(ちなみに、自慢話めくが、小田部はこの間に単著3冊を刊行した、暇だったわけではないのだ)。

  今年の前期の話題は、受講生が講義中に作った川柳が「静岡新聞」に何度か掲載されたことだろう。連載の「こち女」に受講生10名ほどの川柳が載って、参議院選前の若者の福祉意識として話題になった。新聞に掲載されなかった多くの川柳も出来がよかった。「不信感若者みんな感じてる(りんご)」「将来も大事だけど今が不安(固定砲台チャンチャン砲)」など率直な若者の声が200首近くあった。「誰の為?政治家そこをわかってる?(梨(リン)香(カ)庵(ーン))」という厳しい声もあった。

  次に大きな話題。なんと、小田部が突然、テレビに出た。そのため突然、休講になった。「朝起きてTVをつけると小田部さん(驚き)」「休講かテレビの中に小田部さん(まこ)」。その日の朝、東京のスタジオで生放送だったから、当然、2時間目の授業にはもどれなかった。でも多くの学生の関心は、私が何を話したかより別にあった。「先生のスーツとネクタイはじめてだ」「小田部さん生太一うらやましい!!(嵐よりTOKIO)」「真矢ミキさん一度でいいから会ってみたい(あきらめないよ~)」。TOKIOの国分太一さんと並んでいたのが驚きだったのだ。真矢さんのサインもらったか、とも。それにしても、みんな朝の番組見てたんだね。

  悲しい、残念なこともあった。同級生が事故で入院して、帰らぬ人となったのだ。「学科の皆なお前のかえり待ってるぞ(おにぎり)」と書いた受講生がいた。入力しながら涙が出た。

  「静福生だけど優しくない私」という川柳が、前期の作品のなかでは好きだった。なんともいえない深みのある素直な優しい心だと思った。スローガンではない、正直な心の声の力なんだろう。
前期末の感想に、同じ教室にいる仲間が、何を考えているのかがわかるようになった、というのがあった。そういう効果もあるようだ。後期もがんばって入力するつもりだ。

(健康福祉学科 小田部雄次)

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