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死をめぐる文化と納棺~教員ブログ~

教員ブログ

介護福祉士を目指す学生が学んでいる、「生活支援技術J(終末期ケア)」(最終回:1月20日)の授業において、亡き人の尊厳を保ちながら最期のケアを専門としている湯灌納棺師(ゆかんのうかんし)の大西佑弥氏にご講義いただきました。

 

「死をめぐる文化と納棺」というテーマで、時代に伴う文化により異なる死の概念や弔いという文化の成り立ちに焦点を当てながら、死への対応について講じられました。

また、学生への事前アンケートの結果、最も多かった質問「納棺師になったきっかけ」についても語ってくださいました。幼少期から美術が身近な存在として育ち、自然なかたちで高校、大学、大学院で美術(彫刻)を学ばれた大西氏は、芸術の定義と文化の定義が類似し、芸術の追究と文化の追究に本質的な違いがないことに気付かれ、これまでの延長線上の極自然なこととして湯灌納棺師を選択されました。

 

特に印象的だったのは、湯灌納棺師の非専門性についてのお話です。『湯灌納棺師はその専門性によって故人様とご遺族様の意思や尊厳を奪われないよう、平等な関係性でいなくてはならない。専門性をできる限り放棄しながら関わることが重要であること。』これは、介護にも共通するものがあるように思いました。「看取り」の場面では、ご本人やご家族の意思を尊重して主体性に重きをおき、亡くなられた方へのケアはご希望があれば一緒に行い、専門家の考えやペースが優先ではなくご遺族の意向に寄り添います。今回のご講義により、終末期ケアに関わる他職種が大切にしていることを共有することができ、お互いの専門性について考える貴重な時間となりました。

その他、学生からの質問内容を講義の中に取り入れながら丁寧なお答えをいただき、学生共々学びを深める機会となりました。

健康福祉学科   本多 祥子