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「オープンダイアローグ(開かれた対話)」への招待

教員ブログ

この夏、つくばで行われた家族療法学会では、「オープンダイアローグ」といった手法に関する複数の企画がなされていた。「オープンダイアローグ」とは、フィンランドのヤーコ・セイックラ氏とトム・エーリク・アーンキル氏が開発した治療的介入方法であり、病院のスタッフ:精神科医・臨床心理士・ソーシャルワーカー・看護師などの専門家とクライエント・家族・友人などが一堂に会し、包括的な「治療ミーティング」を継続する。その中で重視されているのは、自発的でオープンな対話であり、それは相互尊重の下に行われ、お互いの話に真摯に耳を傾ける。ここでは医療関係者同士の意見交換もクライエントや家族の前で行われ、陰での葛藤や非難はない。対話のさなかに、突然、専門家同士が向きを変えて話し合うことは患者さんの信頼にもつながる。統合失調症を始めとする治療効果も認められているが、薬に過剰に依存することなく、「人薬」で回復に向かう介入である。

家族療法学会では筑波大学教員の精神科医や臨床心理士によるその手法のロールプレイが参加者の前で行われた。とりわけ、日本における「オープンダイアローグ」普及の主軸である筑波大学斎藤環先生(ひきこもり支援の日本における第一人者)によるひきこもり高校生役の迫真の演技に会場は沸いた。両親に向かい「(ひきこもりになった)責任をどうとってくれるんだよ」と迫る言葉からは、斎藤環先生のこれまでの臨床における多くのクライエントの苦悩、悲痛な叫びが感じ取れた。

徳山は児童相談所における「オープンダイアローグ」の可能性を感じ、その旨を斎藤環先生にお伝えしたところ、「長期的な解決であれば」とご助言をいただいた。日本では医療現場での実践は、今すぐというわけにはいかないかもしれないが、ソーシャルネットワークに関与する福祉や教育の現場において、応用できるのではないかと思った。皆様にぜひ、関心を持っていただきたいと思う。

(福祉心理学科 徳山美知代)