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スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカー

教員ブログ

学校で働く心理職はスクールカウンセラー(school counselor,以下SC),福祉職はスクールソーシャルワーカー(school social worker,以下SSW)と呼びます。

 

心理の専門家であるSCは,心理カウンセリングなどにより子どもや保護者の「心のケア」を目指します。しかし,心の問題の原因が,家庭環境や生活環境にあるケースもあります。たとえば,家庭の経済的困窮,児童虐待,同居家族の介護疲れ,外国籍家庭の言語的障壁や文化的摩擦などです。このような場合,まずは安心して暮らせる環境を整えないと,心のケアもできませんよね。また,教員やSCだけでは,家庭環境や生活環境の問題まで解決できないですよね。そこで,法律や福祉制度の専門家であるSSWが「環境のケア」を目指して福祉サービスの利用を支援するのです。

 

SCSSWはどちらも,子どもや保護者に対する相談活動を行います。そして,教員と一緒になって支援計画を立案していきます。その際,SC(心理職)とSSW(福祉職)はそれぞれの専門性にもとづいた助言をしながら連携することが求められるのです(主な業務は下図を参照のこと)。なお,SSWとして働くためには,「社会福祉士」または「精神保健福祉士」といったソーシャルワーカーの資格を必要とします。これらの資格取得には,法律や福祉制度などの勉強がベースとなります。加えて,ソーシャルワーカーは相談援助を行うので,相談者の心を理解するための勉強も大切となります。

 

現在,私は小学校・中学校のSCとして週1回勤務しています。児童・生徒への支援をしていく中で,SSWとご一緒させて頂くことも多いです。仕事の一例として,SSWは関係機関(適応指導教室,子育て相談センターなど)との橋渡しをして下さっています。例えば,学校に通えない不登校の中学生にとって,適応指導教室は安心して学習できる環境の一つです。SSWは,適応指導教室に通っている時の生徒の様子や思いなどについて,関係機関から情報を集約して学校に伝えて下さいます。そしてSSWは,生徒が暮らす家庭環境の改善や,学校卒業後に利用できる社会資源なども含めて,長期的な視点から生徒が安心して生活できる環境作りの支援・助言をして下さいます。そういったSSWの「環境のケア」が土台にあるからこそ,私たちSCの「心のケア」がより効果的になるのだと実感しています。

 

今回の教員ブログでは,SCとして働く私の視点から,SSWの素晴らしさを紹介しました。このブログを読んで,少しでもSSWの仕事について知って頂き,興味をもってもらえれば嬉しいです。また,私が所属する福祉心理学科では,「福祉」と「心理」の専門的な学修ができ,それぞれの専門性の違いや連携のあり方も学修することができます。静岡福祉大学への進学を考えている方にとって,このブログが進路選択の一助になれば幸いです。

 

福祉心理学科 小川翔太